今日はクリスマスが届く日。
「6時ごろには着く予定よ」
時間指定の黒猫サンタを迎えるべく
早々に一番風呂を済ませパジャマに着替えると、
僕は母屋の玄関から遠くを見つめた。
なんとしてでも、自分の手で受け取りたい。
例え家族であろうとも
僕に届くプレゼントに一触もさせてはならない。
それは、彼女の気持ちをダイレクトに受け取りたいという思い。
しかし、僕が油断した隙に黒猫サンタはやって来て
受け取り判を押したのは、おばあ様だった。
結局、右往左往して我が家で
最後に僕のところに到着したプレゼントだったが、
中身を覗かれた様子はなかったので一安心した。
とにかく、ルンルン気分で自室に戻る。
リボンが結ばれた袋にピンクの封筒。
中身はなんだろうか…
どんな熱いが想いが綴られているのだろうか…
まさか、心臓マヒを引き起こすような内容ではないか…
そんなことを考えながら封を開ける一瞬だった。
わぁー
平らに折られたものを水平に起こしてみると
そこにはなんと、夢の世界。パラダイススノー。
ソリに乗った雪だるまに、無邪気に行き交う4人のサンタ
かわいいクリスマスリーフの向こうには
鏡に映るもう1つの世界。どこからか、
シャンシャンシャンという鈴の音が聴こえてくるようだった。
メリークリスマス
メリー… クリスマス
組み立ては簡単だった。
でも、形を作るときに力を入れすぎて
変な音がして少しビビッたけど問題はなく完成された。
そして、気になるメッセージは
雪の世界の裏面に書かれていたのだった。
たった4行の言葉の中に
二人の過ごしてきた一年という歳月を思い起こす。
僕も彼女に ありがとう という気持ちと
つらい思いや切ない思いをさせてごめんね
という気持ちでいっぱいになり
少しだけ目頭が熱くなった。
○○ちやんより
ちょっと笑った
とてもかわいい、二つの帽子。
右は僕がほしいと言った耳付きのニット。
僕がこの冬を乗り切るために買ったダークブラウンのダウンにあわせて
専門店の店員さんと相談しながら選んでくれた。
ほんとかわいくて、チョーお気に入りなんだけど、
被って鏡を見ると、昭和の撃墜王の雰囲気がして
ああ..やっぱりこうなるか..と思ったけど
そんなこと気にしないでボンボン揺らしながら、この冬、街を闊歩する・
左のは、彼女が自分で選んでくれた。
たとえ似合ってなくても、似合っているに決まっていると思った。
彼女がくれた、二つの帽子。
僕は一生大切にして、
子供や孫にも被せてやりたい。
「この帽子は、若いときにお前の…」
そんな夢を、クリスマスの夜に見ていた。
ありがとう。とてもうれしい^ ^
来年は、彼女に ありがとう を言ってもらおう。